アンジュルムの新曲が映像シングルなのはなぜなのか?

アンジュルム 新曲

アンジュルムの新曲が映像シングルリリー

スになった理由を考えてみた

2017年6月にカントリー・ガールズとの兼任で船木結、ハロプロ研修生から川村文乃が加入したアンジュルム。少しのスパンを置いて、グループ新体制初となる新曲『マナーモード/キソクタダシクウツクシク/君だけじゃないさ…friends』を12月13日にリリースした。
メンバー全員がフィーチャーされた新曲はみどころ満載なのだが、今作はなぜかCDリリースではなく、Blu-ray/DVDシングルという特殊な形態になっている。なぜ、アンジュルムだけ新メンバーが入った美味しいタイミングで、あえてこのような映像作品リリースをしたのか?
楽曲を紹介しつつ、今後のアンジュルムを予想しながらその理由を考察したい。


『マナーモード』

出典:YouTube

作詞:児玉雨子
作曲:炭竈智弘
編曲:炭竈智弘
メイン:和田彩花(1期)、佐々木莉佳子(3期)、笠原桃奈(5期)
振付:YUKA


『キソクタダシクウツクシク』

出典:YouTube

作詞:亜伊林
作曲:星部ショウ
編曲:板垣祐介
メイン:中西香菜(2期)、竹内朱莉(2期)、勝田里奈(2期)、船木結(6期)


『君だけじゃないさ…friends』

出典:YouTube

作詞:星部ショウ
作曲:星部ショウ
編曲:平田祥一郎
メイン:室田瑞希(3期)、上國料萌衣(4期)、川村文乃(6期)

それぞれの楽曲レビューは、筆者がカルチャー紹介メディアで執筆した記事があるので、興味のある方はそちらを参照して頂きたい。

アンジュルムが新曲リリース! ここだけは抑えたいみどころ(ミーティア)
http://meetia.net/music/angelm-newsingle/


マルチアングルを採用するのは、キャラ付けのためか?

今作のBlu-rayの方はマルチアングルに対応している。アンジュルムの代表曲「次々続々」でも”360°バージョン”といった映像を出していたが、なぜマルチアングルにこだわるのか?
それは、アンジュルムのパフォーマンスはどこから見ても迫力と見所があるというのを印象付けたいからではないだろうか。モーニング娘。がフォーメーションダンスで天井カメラの映像を多用するように、アンジュルムもパフォーマンス面でキャッチフレーズになるようなものを打ち出したいと考えているのかもしれない。

以前、和田彩花がラジオでライブ映像のカット割りにかなりこだわりを持っていて、出来上がった映像を見て細かくチェックしていると話していたことがあった。
いわゆる、全体で写すべきシーン、メンバーの表情を写すべきシーンなどを語っていたが、言いたいのは”アンジュルムのパフォーマンスをもっと効果的に見せたい”というこだわりだったように思う。

出典:YouTube

秋ツアーの中野サンプラザ公演では円形のステージを使い、新曲パフォーマンスをしていたが、このことからもアンジュルムはパフォーマンスを全方位で見てほしい気持ちがあるのかもしれない。

出そうと思えばシングルで新曲リリースできる力を持ちながら、今回映像シングルでリリースしたのは、こういった全方位パフォーマンスを強く印象付けるということも、狙いのひとつとしてあるのではないだろうか。


時代が来ないなら、作ればいい。アンジュルムの方向性は?

いきなりモーニング娘。の話で申し訳ないが、今年のモーニング娘。’17はモーニング娘。結成20周年ということもあり、メディアの露出も例年以上に増え、大活躍の一年だった。
やはり、どう考えても20年の歴史というのは偉大であり、現役メンバーが歴代の活動をリスペクトしながら今に継承している姿は、唯一無二の存在であると認めざる得ない。

その中で、アンジュルムはどうするのか?
サブリーダーの竹内朱莉が”打倒! モーニング娘。”を掲げてから、何かとライバル関係を煽られることが多くなった両者。メンバーの総合力など見ても、もはや好みの範囲で優劣が決まるほど拮抗している思うが、上述した通り、モーニング娘。の伝統というのはかなり強い。
アンジュルムもスマイレージから数えれば歴史はあるが、モーニング娘。にはかなわないだろう。しかし、アンジュルムにはモーニング娘。ができないことに挑戦できるという武器を持っている。彼女たちは現代の音楽シーンを見ながら新しいことに挑戦するグループなのだ。

その象徴となるのが、”ROCK IN JAPAN FESTIVAL“、”COUNTDOWN JAPAN 17/18“の出演。アップアップガールズ(仮)と対バンライブの二つだ。
℃-uteが先陣を切って参加していた音楽フェスの座をアンジュルムが継承。ロッキンに行った人のレポートやアンジュルムの感想を聞く限り、初出演ながら楽曲のみのパフォーマンスで、明らかにアンジュルムを知らない音楽ファンから注目を勝ち取ったようだ。

これは、アンジュルムが「大器晩成」や「ドンデンガエシ」など、強めのロックサウンドを主体とした楽曲を持っていることも多い。ここに知名度だけでモーニング娘。’17が出ても、おそらくカラーの違いでアンジュルムほど場を沸かすことはできなかっただろう。
年末のカウントダウンジャパンも同様に結果を残すのではないだろうか。もし、フェス好きでロッキンでアンジュルムを見れなかったという人は、ぜひここで彼女たちのパフォーマンスを見て欲しい。

そして、9月にはアップアップガールズ(仮)との対バンライブで新たな一面を見せたアンジュルム。

出典:YouTube

アプガとアンジュルムの和田彩花はハロプロエッグの同期ということもあり、両者とも不屈の魂でライブに生きるアイドルグループなので、そういった背景が注目されていたが、実はその裏で、この対バンライブでは、世界初の試みが実践されていたことをご存知だろうか。

ライブのアンコール明けに、しゅごキャラエッグで一緒だった和田彩花と佐保明梨が「笑顔に涙~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~」を披露したのだが、このパフォーマンスのみ、ライブビューイング会場となる”タワーレコード渋谷B1CUT UP STUDIO”で3D配信されたのだ。
詳しくはユースタで掲載したライブレポートを呼んでもらえればと思うが、とりあえず世界初の3D映像ライブビューイングということで、会場には普段見かけない企業関係者が多く来席し、彼女たちのパフォーマンスを見ていたのが印象的だった。

完全版:アンジュルム×アプガの対バンライブ 渋谷タワレコでは・・

このように、アンジュルムは前衛的な仕事、音楽シーンのコアな部分にアピールする仕事、テクノロジーをいち早く取り入れることに挑戦するなど、新たな境地をハロプロのために切り開いているのだ。モーニング娘。がハロプロを守り強化していく存在であれば、アンジュルムはハロプロに新しいものを取り込むという攻撃で強化しているのではないだろうか。

確かに、ハロプロの歴史の中を生きる彼女たちにとって、モーニング娘。の活動は輝かしいと思う。しかし、それぞれグループにはなんのためにハロプロを支えていくのかという方向性やテーマがある。アンジュルムであれば、新境地開拓というイメージが強い。これがうまくハマった時、アンジュルムは宣言通りハロプロトップの座を手にしているではないだろうか。

そういう背景も考えながら、今作の『マナーモード/キソクタダシクウツクシク/君だけじゃないさ…friends』を見るのも、ひとつの楽しみ方かもしれない。


マナーモード/キソクタダシクウツクシク/君だけじゃないさ…friends